振袖ィ〜エイ!

パパの実家のそばの天神様に初詣に行ったとき、香夏子が、志望校合格を祈って絵馬を掛けてきた。きょうは次のおねだりも聞いてもらえる様にお礼参りに行って来た。天神様と言えば梅。紅白の梅が咲き誇りかぐわしく香夏子の合格を祝ってくれている様だった。
神社に着く頃になってから、車に同乗していた両親が、「お参りは午前中にするもんだ。」と言い出した。そう思ってるだろうなと想像していた私は大胆にも「夕方のお参りのいやな人は車で待っててね。」って言ってのけた。すごい嫁!ちゃあ〜んと、社務所も営業時間だったし、夕方だって平気だあい。
パパの両親はここから車で1時間のところに住んでいる。「親子はスープの冷めない距離に住むのが一番」と言うのが義母の持論だ。その義母が3年前突然倒れ、その半年後義父が癌を宣告された。2人とも病気のときはたいへん気落ちして、すぐにもスープの冷めない距離に引っ越して来そうな勢いだった。土地を用意してくれたら、そっちに引っ越すと言う事だったので、私たちは借金をしてスープの冷めない距離に土地を用意した。でも、少しすると2人とも元気を取り戻し、引越しはたいへんだから土地は売っちゃってって。そんな〜。私たちには大きな借金と小さな土地と不信感が残され、パパと2人、憤慨したりあきれたり、しばらくはげんなり。それ以来、心のどっかにひっかかりがある。まあ、「お前達なんかあてにしてない。ず〜っと、2人でやっていけるから大丈夫だよ。」って、言ってもらったようなもんだから、良い事なのかも知れないけど。それに香夏子の合格を祝う席で、義父が成人式の振袖をプレゼントすると豪語したのでそれが履行されたら、ぜ〜んぶ水に流すね。