必殺!人のふんどし

「ドケチさ〜ん♡ お願いがあるの。」
滅多にないゾアさまからの電話。ゾアさまは電話代にも神経を使っているので、普通、用事はauのCメールで済ませる。それが突然の電話。
「今度、卒業を祝う会で使うテーブルクロスを縫ってほしいの♡ テキトーでいいの。ドケチ作だなんて、だれにも言わないから!」
前にも、エプロンと三角巾を6枚ずつ縫ってほしいの♡ 雑巾を縫ってほしいの♡ ビーズ、作ってほしいの♡ 1度も就職もパートもしたことのないゾアさまは、人の労働力は只だと思っているらしい。だから、チョーめんどくさい事でも簡単に人に振ってくる。これだって、布代=テーブルクロス代なのだ。ミシンを掛ければ電気代も掛かるし、糸もいる、人を雇えば人件費。世の中の常識とか普通の感覚とか、超越してしまってるゾアさま。「あっ、そお、、」とか言っていると、「縫えるとこまででいいの。布を持って行くから。」って。なんで会に出られもしない私にーっ!私は、祝う会の夜もお仕事だよーっ。
「さすが、ゾアさま。こんなに安い会費で、すばらしい祝う会だったわ。」って、ほかの保護者や先生方に言われたいんだね。いつも、そういう社交辞令を真に受けて有頂天のゾアさまもかわいくはあるけど。
人のふんどしで相撲をとるのが得意技のゾアさま、これまでもいろいろあった。学校のバザーのときも、近所の人に提供してもらった品物をさも自分の協力品でもあるかのように供出する、なあ〜んて感じに。