ゾアさま執念の雪辱!

わあお!本気で布持って来ちゃったんだ。しかも、16枚ぶんも?ランチョンマットじゃないよね、、、、。テーブルクロス16枚だよね。あ〜あ、女工哀史。あ〜あ、断れない私って、、、トホホ。「ドケチ作なあんて、誰にも言わないから」って言ってたくせに、沢田さんに言ったじゃない!うそつきっ!「ミシン掛け頼まれちゃったんだってぇ。」って、彼女から電話が来たんだから!そうやって断れなくするつもりだったんだ。どうせ、みんなには「私にはドケチさんという専属のお針子さんがいるのよ」って言いふらすんでしょう。
PTAの学年会長として、何から何まで仕切って、楽しそうなゾアさま。思えば3年前の経ちゃまの小学校卒業の折の「謝辞争奪戦争」敗戦からの悲願だった今回の晴舞台。祝う会を仕切り、卒業生が学校に寄贈する物品を自分からのプレゼントのように校長に渡し、卒業式で豪華な貸衣装を身にまとい保護者代表として謝辞を述べ、うっとり涙を流すゾアさまが、目に見えるようだ。
3年前の「謝辞争奪戦争」は今もこの学年の語り草になっている事件だ。ゾアさまのほかに卒業式で保護者代表をしたい川上さんという人がいて、両者1歩も引かぬ凄い争いになった。違う学年の親にはあほらしい話だったが、同学年の親たちにはおもしろくて、寄ると触るとその話で盛り上がった。結局、ヘアスタイルから衣装まであれこれ夢を描いていたゾアさまが煮え湯を飲まされる結果になった。当時のPTA会長の調停で、川上さんのほうは1人っ子で、ゾアさまは経基くんのお姉ちゃんの時にもしている事が考慮され、川上さんに軍配が上がった。ゾアさまは、そつなく謝辞をこなした川上さんのことを「何よあの格好!あれじゃあ、飲み屋のママじゃない。」と、けなす事ぐらいしか出来なかった。 
それからも本部役員になった川上さんの下で我慢してきたのは、じゃ〜ん!3年前の雪辱あるのみ!この中学では学年会長が保護者代表の謝辞をするって決まってたんだもん。宿敵川上さんが本部役員にきまるときも、ゾアさまは苦しみぬいた。川上さんが本部になれば、自分は下の立場。でも、自分が本部になれば、謝辞はまた川上さんのものに。謝辞を選ぶよりほかなかった。川上さんの下になっても反抗すればいいだけの事だもん。そしてその通り歯向かいながら、役員の仕事を今日までしてきた。でも、この頃ゾアさまの川上さんに対するトーンが変わってきた。原因は下の学年の親たちだ。ゾアさまに言わせれば、最近ではヤンママ役員も多くいて、上の学年の役員を立てないんだって。何やらその事では川上さんと意見が合って、2人で嘆いてるって云うからびっくり。年とちゃったね2人とも。